例えば、愛する女性にプロポーズを試みようとしている男性がいるとします。彼はプロポーズを成功させようと必死です。彼女の好きなものを調べ上げプレゼントを用意し、夜景が一番綺麗に見える時間にホテルの最上階のバーで、魅力的な言葉とともにプロポーズをしました。しかし、残念ながらプロポーズは失敗に終わりました。
一体何が悪かったのでしょう。
彼は最高のシチュエーションをつくることに夢中で、それまでのコンテキストをつくることがおろそかになってしまったのです。何の前触れもなく夜にいきなり呼び出され、いきなりそんなシチュエーションに置かれた彼女は口をぽかんと空けるしかありません。
ここで抜けていたのは、いかに彼女の気持ちを高揚させていくかということです。これがなければ、いかに最高にシチュエーションも無駄になってしまいます。逆に、気持ちさえ高めることができれば、居酒屋でプロポーズしても成功したりするのです。
広告のコミュニケーションに置き換えてみても同じようなことが言えるような気がします。とても当たり前すぎることなのですが、
「伝えて欲しいコトを」
「伝えて欲しいジカンに」
「伝えられたいバショで」
「伝えられてたいホウホウで」
そして、何よりも
「伝えられたいキブン(キモチ)で」
いるときにアプローチすることが重要です。すなわち、相手をその気にさせるような状況をつくるためのコンテキスト設計がコミュニケーション設計の上でとても重要なのだと思います。
という視点に立てば、現在の主流である効果検証の指標をコミュニケーションの最後の部分であるクリエイティブ(例でいうところの最高のシチュエーション)だけに求める手法というのは良くないように感じてきます。単にリスティング広告だけを見た人よりも。バナー広告を見た後にリスティング広告を見た人の方がクリック率が高かったりすることは証明されているようですし。
そういうことを言っていると、MicrosoftのEngagement Mappingのような広告検証手法はなるほどなーと思ってしまいます。
実際にこのような統合型効果検証で、購買までに接して全メディア&クリエイティブの効果が計れるようになり、一般化すればこれはまたクライアントの広告予算にすごい変化をもたらすのでしょう。広告の力関係もコミュニケーションの形も様変わりですかね。マスメディアも今以上に見直されたりするかもしれません。
最近過ごしていく中でなんとなく思ったことでした。
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